空隙歯列とは
空隙歯列(くうげきしれつ)とは、通称「すきっ歯」と呼ばれる歯と歯の間に隙間が空いている歯並びの事を言います。
そのうち、上の前歯の真ん中に隙間が空いている状態を「正中離開(せいちゅうりかい)」と呼びます。 日本では気にされる方が多い歯並びですが、海外では「幸福の歯」として好意的に見られることもあります。
空隙歯列のデメリット
・すきっ歯は見た目を気にする方が多く、コンプレックスになりやすい。
・隙間部分から空気が漏れやすいため、発音に問題が起こることがある。
・歯の連続性がなくなるため、咬み合わせの負担に徐々に耐えられなくなることがある。
空隙歯列の原因
①生え変わりによるもの
乳歯の段階では、永久歯が生えるためのスペースを確保するためにすきっ歯になるのが正常な状態です。前歯が永久歯に生え変わった後も前歯に隙間が空いていることが多いです。多くの場合は後ろの永久歯が生えてくるにつれ、隙間が埋まっていきます。
②歯の本数が少ない
歯の本数が通常よりも少ない状態の人がいます。そのようなケースは、歯と歯の間に隙間ができやすいです。
③歯が細い
「矮小歯」と呼ばれる通常よりも細い歯がある場合も隙間ができやすいです。
④顎が大きい
顎の大きさが歯のサイズに対して大きい場合も隙間ができてしまう事があります。
⑤舌が大きい
舌が大きい場合、舌で歯を押し広げてしまい、隙間を作りやすくなります。
⑥癖によるもの
舌で前歯を内側から押す癖などがある場合、歯に隙間が空いてしまう事があります。
⑦上唇小帯の影響
上唇小帯とは、上唇の内側から歯茎につながっているヒダです。このヒダが太く前歯の近くまで伸びていると前歯がくっつく事ができず隙間が空いてしまう事があります。
⑧正中埋伏過剰歯
上顎前歯の間の骨の中に余分な歯が埋まっていると、隙間が空いてしまう事があります。
➈虫歯・歯周病によるもの
虫歯のため歯を失った状態で放置をしてしまい、周囲の歯が移動をして隙間を作ってしまうケース。歯周病の進行により歯を支える骨が弱くなり、歯が移動をして隙間が空いてしまうケースがあります。
空隙歯列の治療法空隙歯列の原因
隙間の原因になるものがあれば、それを解決する必要があります。癖によるものの場合は癖を取り除くトレーニングをすること、上唇小帯が伸びている場合は余分な部分を切除すること、埋伏過剰歯の場合は過剰歯を抜歯すること、などがあります。 空隙歯列の治療法としては、矯正治療で治す方法を矯正方法以外で治す方法があります。
【矯正で治す方法】
インビザラインで治療できます。 透明なマウスピースを装着し、定期的に交換をすることで徐々に歯並びがきれいに整っていきます。⇒当院のインビザライン治療についてはこちら
【矯正以外で治す方法】
・ラミネートベニア
歯の表面を薄く削り、そこへ歯の形をした薄いセラミックを接着し、表から見た時に歯の隙間をなくす方法です。すばやくすきっ歯を改善できる一方で、歯を削るデメリットがあります。 ・ダイレクトボンディング法
歯の表面に歯科用プラスチックの材料を盛り付け、隙間を埋める方法です。月日が経つと変色しやすいというデメリットがありますが、歯を削らずにすみます。
・セラミックをかぶせる方法
歯の全体を削り、かぶせ物をして隙間を埋める方法です。歯の向きなども治すことができますが、歯をたくさん削る必要があります。
インビザラインによる空隙歯列と治療症例
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矯正治療前
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矯正治療後
よくある質問
A 永久歯、特に犬歯が生えそろってからでは自然には治りません。犬歯は中心に向かって歯を押しながら生えてくるため、犬歯が生えることにより隙間が閉じる場合が多いです。永久歯がすべて生えそろった時点で隙間がある場合はそれが自然に閉じることはありません。
A 先天的に歯の大きさが小さいことを矮小歯(わいしょうし)といいます。約1/50人に発生する比較的よくみられるものです。歯並びを左右対称に整えることで、気にならなくなる方が多いです。